大阪ミナミに法善寺あり、大阪土産に「心斎橋 法善寺あられ」あり。

創業大正9年 おかきとあられの専門店『法善寺あられ』
  • お問い合わせ
  • 商品確認

税抜き価格5,000円以上お買い上げで送料無料!!お買い上げ100円ごとに3ポイント!

ホーム製造責任者のこだわり
製造責任者のこだわり
製造責任者インタビュー

法善寺あられの生産拠点、出石工場。製造責任者の宮垣 泰志氏は生産工程の管理だけではなく、より安全で安心な原材料を求めて自ら生産地まで赴き、美味しいあられ作りを追求し続ける「開発者」でもあり、そして「職人」でもあります。
その宮垣氏に、原料から焼き方まで、法善寺あられのこだわりについて語っていただきました。

[法善寺あられ 製造責任者]
宮垣 泰志

玄米から精米

玄米から精米するというのは、米の産地や生産者、等級などがはっきりわかるからという意味もあるんですよ。

まず設備面で特にこだわっているところというか、法善寺あられの特徴みたいなものがあれば聞かせてください。

一番の特徴はお米を玄米から精米する工程を自社工場内でやっているということですね。

他ではあまりされてないのでしょうか。

やはり、手間がかかりますからね。今はもうかなり減ってるんじゃないですか? お米を洗う工程さえも省いているところがあるくらいですから。

というと?

いわゆる無洗米ですね。家庭用でもよく使われていますが、洗米した状態で売られているものです。
もっと極端に省略しているところでは、お米も粉の状態で仕入れて使われているところもあるくらいです。餅粉とか米粉といわれるものです。業務用でそういう商品があるんですよ。

そうなると元の米の原産地などはわかりませんよね?

そうですね、わかりにくいでしょうね。
玄米から精米するというのは、米の産地や生産者、等級などがはっきりわかるからという意味もあるんですよ。
白米に精米されたり、ましてや粉状になると、違う等級のものが混ぜられていてもわからないですから。

そういう意味で玄米であることは重要なんですね。

その通りです。ですから手間がかかっても自社精米にこだわっているんです。

トレーサビリティと言いますか、仕入れのルートがはっきりしているという意味では安心ですよね。

そうですね。安全・安心っていうのは、当たり前のことでないとダメだと思うんですよね。その後に「美味しい」とか「見て楽しい」が付いてこないと。

せいろ蒸しと杵突き

ウチの場合はお米を粒のまま蒸し上げていますから、
やはりお米の風味がしっかりと残るというのはあるでしょうね。

他に製造工程で特徴はありますか?

やはり、せいろ蒸しから杵突きの工程でしょうか。せいろ蒸しの場合は「おこわ」の状態でしかないですからね。それを杵突きでお餅にするわけです。

先ほどのお話にあった粉状のお米を使う場合はどうするんですか?

通常は「蒸練器」といって、釜の中で蒸気で練るわけです。この場合は自動的にお餅の状態でできあがってきますから、杵で突く必要がないわけなんです。どちらかといえば団子を作るような感じでしょうか。
工程的にはそちらの方が早いですからね。

かなり違いが出てくるんですか?

ウチの場合はお米を粒のまま蒸し上げていますから、やはりお米の風味がしっかりと残るというのはあるでしょうね。それと、杵突きですから、作る商品によって突き具合を調整することもできます。

杵突きも商品によって変えてるんですか?

そうです。突き具合や回数なども違います。
それが仕上がりの食感にも影響するわけです。

衛生面について

工場の初期化と言っているんですが、
稼働する前と同じクリーンな状態にしてしまうわけです。

工場内の衛生面に関しては?

衛生面はもちろん自社でもやっていますが、専門の衛生管理会社にも入ってもらっています。これに関してはかなりの費用をかけていますね。

専門業者というのはどのようなことをするのですか?

年に数回、殺菌消毒をします。これはもう徹底的にやるわけでして、天井や蛍光灯に至るまですべてアルコールで拭いて、工場内もアルコール噴霧します。
工場の初期化と言っているんですが、稼働する前と同じクリーンな状態にしてしまうわけです。起ち上げた時の状態に戻すんですよね。

その時は工場を止めてやるんですか?

もちろん、工場が長期の休みに入る時にやります。
他にも工場が無人の時にオゾン殺菌もやっています。

副原料へのこだわり

私自ら柚子ジャムを炊いています。
普通なら香料を使うんですが、やはりそれだと風味が違うんですよね。

海苔や柚子、醤油など、副原料についてアピールするところはありますか?

そうですね。できるだけ国内産にこだわってます。メーカーさんで扱ってなかったら、値段が高くてもそれだけは妥協しません。

柚子についてもこだわりがあると聞いていますが。

はい、私自ら柚子ジャムを炊いています。普通なら香料を使うんですが、やはりそれだと風味が違うんですよね。

香りを付けるために柚子ジャムを作ってるんですか?

そうです。しかもできるだけ少量、例えば1〜2ヶ月分だけを作るようにしています。大量に作って時間を置くと風味が飛んでしまうので。これは他の副原料についても同じ考えです。高くついても小ロットにしています。

海苔についてはどうですか?

海苔も等級の高いものを産地を指定して使っています。

海苔にも等級があるんですね?

そうです。ウチで使っているのは、例えばお寿司屋さんとか料亭などで使われているものと同じような等級の高いものにこだわっています。

あとは醤油についてですが。

醤油についても、メーカーのものをそのまま使うのではなく、元の醤油をいただいて、自社で炊き合わせています。

元の醤油というのは?

いわゆるたまり醤油ですね。

それを独自にブレンドするということですか?

もちろん醤油そのものをブレンドすることもありますが、これに調味料、まぁ、隠し味的なものですが、味醂とか昆布だしなどを自社で炊き合わせて独自の味付けでやっています。国内産へのこだわりと小ロット生産は他の副原料と同じです。調味料もできるだけ化学的なものは使わずに、自然な素材を使うようにしています。

あられの種類

1種類作るのに1週間かかりますから、受注を待っていたら間に合いません。

どのくらいの種類を作っているんですか?

約50種類くらいですね。仕上げや包装のバリエーションを入れるともっと多くなりますけども。

出荷量を予測して、あるいは注文を受けて作るんですか? 配分するというか…。

やはり予測して製造しています。1種類作るのに1週間かかりますから、受注を待っていたら間に合いません。これに関してはずっと毎日生産日報を付けながら集計・管理していますので、だいたい年間のバランスは把握できていますね。

季節による違いもあるんですか?

そうですね。時期的には秋冬が良く出ますのでね。どうしても集中する時期があります。特に二次加工の必要な商品、例えば焼き上がったものに味付けをするとか、海苔を巻くとか、個別包装の必要なものなどは、さらに時間がかかりますから、多めに時間をみておかないと。

原材料を寝かすところから考えるともっと時間がかかるんですよね?

そうですね。杵突きした後、ウチの場合は三日間冷蔵して寝かせていますから。その後にカットして乾燥させる工程があるわけです。

その違いって、一般の人が食べてもわかるものなのですか?

やはり食感が違ってきますね。ただ、あくまでも嗜好品ですから、工程や原料の違いなどは作っているものにしかわからない点もありますね。

焼き方へのこだわり

必ず目と耳の両方で確認します。だから常にあられと「会話」してるんですよね、焼きながら。

開発秘話というか、今までで苦労した点などはありますか?

同じ商品でも毎日焼き方が違うんですよね。だからずっと付きっきりで焼かないとダメなんです。

それは温度とか、環境による違いなんですか?

この地域特有の気候から、毎日の温度、湿度の変化、原材料の水分量まで色々な要素がありますし、それにガスの燃焼率も影響しますから、本当に毎日変化するものなんですよね。
時間を計ったり、温度計を見たり、水分計で生地の水分を計ったりしているわけですが、それはあくまでも大まかな目安となるデータでしかなく、常に微調整が必要です。

そういえば何度も火を調整していますよね。

ガスも空気と混ざり合って燃焼しますから、有る意味不安定なんですよね、特にプロパンガスの場合はね。
それに、商品によっても焼き方はそれぞれ違いますからね。パリッとした仕上がりのものと、サクッとした仕上がりのものとでは焼き方も違うわけです。

僕らはだいたい4つの段階で見ているんです。生地を投入したら余熱でまず暖めるんです。この段階で乾燥した生地が柔らかいお餅の状態に戻るんですね。そして次が「浮き」と僕らは呼んでますが、膨らませる段階ですね。ここで火力を少し上げるんです。そうすると焦げやすくなりますので回転も上げます。商品によって薄く焼きたい場合は、膨らんだ時に一旦出して風を当てて冷ますんですね。そして有る程度膨らんだら、今度は焼き色を付けます。ここでやっと「焼き」の段階です。最初から「焼き」ではないんですよ。そして最後の段階でも、火加減や回転を色々と変えながら仕上げる訳です。

かなり奥の深い作業なんですね。

そうですね、午前中と午後でも焼き方が変わりますからね。それに、商品によって膨らませ方にも変化を付けるために、焼き方だけではなく、餅の段階でも違うわけなんです。だからこそ杵突きにこだわっているわけです。

それで自動化も難しいということですね。

そうですね。だから逆にずるいことができないんですよ、例えば早く焼きたいとか、ごまかしができないんですよね。
素材が、こういう風に焼いてくれって言っているような感じなんですよね。だから時間がかかろうが、その焼き方で焼かないと。

だから、いつもそうやって、言葉は言わないですけども、焼きながら音を聞いているんです。火加減の調整も目で見てるだけじゃなくて、音で変えるんですよ。

なるほど、音を聞いているんですね。

最初の余熱の時にはカサカサ〜っていう感じの音なんですが、餅になって柔らかくなるから一旦音がなくなるんですよ。そして焼きの段階になると音がまた変わってきます。それで、最後焼けたらカラカラカラっていうような音になるんですよ。それで「あ、焼けたな」と。必ず目と耳の両方で確認します。だから常にあられと「会話」してるんですよね、焼きながら。

あられと会話ですか! それは機械ではできないことですね。

そうですね。ですから手作業にこだわっています。味付けの段階でも同じで、適当に回しているように見えますけど、やはり常に音を聞きながら、会話しながら仕上げるんですよ。

機械を使った手作業

その商品に対する思い入れを入れて焼きたいんや。そう言ったら機械屋さんも納得してくれたんですよ。

僕がさっき焼いていた機械(平煎り機)も本来は自動の機械だったんですよ。自動供給機で投入して、タイマーで焼いて、終わったらその商品が自動的に出てくるような機械なんですが、それを僕が「手動にしてください」とお願いして、自動の部分を外してもらったんですよ。

最初は機械メーカーさんにも「なんでそんなことをするんですか」って言われてね。

いや、ウチは色々な種類があって、色々なあられを焼きたいから、自動ではなかなか自分の思いが、例えばこういう風に焼きたいとかああいう風に焼きたいということができないから。自分で、その商品に対する思い入れを入れて焼きたいんや。そう言ったら機械屋さんも納得してくれたんですよ。それはおもしろいって。

じゃぁ、本当は普通に自動でラインに組み込めるような機械なんですね。

そうなんですよ。誰でも使えるようにできている便利な機械を、わざわざその便利な部分を外してもらってね。そうしないと機械がやるようにしかできないでしょう? やはりこういう商品を作りたいんだとか、できあがりをイメージしながらね、お客さんに美味しいなぁと思ってもらえるようにと、思い描きながら焼くんですよ、毎回。

機械を使ってるとはいえ、手作業に近い感覚ですね。

ですから、火加減や回転数も何度も調整しながら焼くんですよ。
もちろん、音を聞いて会話しながら。
たいへんだけど、焼いていて一番おもしろい機械ですよ。

新商品の開発

春・夏・秋・冬と、季節感のある商品を作っていきたいですね。

こんな新商品を作ってみたいというのは何かありますか?

今ちょっと作り始めているのが、抹茶とかほうじ茶とか、お茶の成分のカテキンを活かしてね、お茶を飲むのではなく食べるという感じで。
まだ試作段階なんですけど。

健康志向ですね。これ、見た目もいいですね。

これは抹茶以外は何も入っていない素焼きの状態です。
これに抹茶ザラメをかけて仕上げるつもりです。
他にも春・夏・秋・冬と、季節感のある新商品を作っていきたいですね。

ぜひお願いします。楽しみにしています。
どうもありがとうございました。